2013年1月25日
「海女記」
全国の海女撮影を行うにあたり、
過去に諸国を旅した民俗学者の本など、
いろいろな本を読んでいる最中。
女性民俗学者「瀬川清子」さんの
「海女記」という本をネットで探し当て、購入。
届いたものを空けてみると、
ん?!!!
凄い古い。
厳重に梱包されているものを、
開けた途端「ピシッ・・・」と裂けてしまった。
劣化した紙に、背表紙のノリが乾燥して、ほんのちょっとの衝撃に耐えられず・・・。
それでも、読む際に問題はないが、
ネットでは伝わらなかった、その「時」を感じた。
昭和17年。もう、70年以上の時が流れているのだ。
その時、その本は、壹圓六拾銭。
漢字を横に書くとき、右から左へ。(表紙)
「昭和17年」という数字の意味する重さへの、
想像力の欠落を感じた。
「紙」は、生きている。
生き物は、皆、年をとり、死んでいく。
でも、その中の文章は、実にいきいきと、
その時を表現してくれている。
今、取材している海女さん達は、
70年前も同じように、海に潜り、そこで暮らし、今に続いているのだ。
今も、未来では過去になる。
だから、その時を、シンプルに伝えることは、やはり大切なんだ、と。
そして、これを探せたのは、ネットのおかげだけれど、やはり「リアル」は大切だな、と。
劣化した紙の色、匂い、触感から伝わるものは、ほんとうにほんとうに、大きい。
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